新型コロナウイルスの感染者数は地域によってバラバラで、緊急事態宣言がでている地域もあれば、でていない地域もあります。
ニュースを見ていると「東京や大阪が危険!」という情報が飛び込んできます。
果たしてこれは正しいのか?数学的に分析してみました。
新型コロナウイルス感染リスクを保証するようなものではありません。
大阪と奈良の現状
大阪府と奈良県の現状を比較してみましょう。
1日の感染者数 | 緊急事態宣言 | |
大阪府 | 591人 | 発令中 |
奈良県 | 57人 | なし |
※2021.09.22の情報
地上波のニュースで放送されているのはこういった情報です。これだけ見ると「大阪は危ない!」「奈良は比較的安全!」という印象をうけますね。
本当にそうなんでしょうか?
人口1万人あたりの感染者数
大阪府と奈良県では総人口が大きく異なります。
そこで人口1万人あたりの感染者数を確認してみましょう。
感染者数 | 人口 | 1万人あたりの感染者数 | |
大阪府 | 591人 | 約881万人 | 約0.67人 |
奈良県 | 57人 | 約132万人 | 約0.43人 |
※2021.09.22の情報
人口1万人あたりの感染者数にしてみると、大阪府と奈良県の差がかなり小さくなりました。
人口密度
さらに人口密度も含めて考えてみましょう。
以下の2か所を例に考えてみようと思います。
ユニバーサルスタジオジャパン(大阪府)
みなさんご存じの、大阪を代表するテーマパークです。
出展:USJ公式サイト
敷地面積は0.54k㎡と日本最大級です。
生駒山上遊園地(奈良県)
名前の通り、奈良県の生駒山の山上にある遊園地です。
出展:生駒山上遊園地公式HP
90年以上の歴史がある遊園地です。敷地面積は約0.0098k㎡です。
人口密度を考慮したリスクを算出
ユニバーサルスタジオジャパン(以後USJ)と生駒山上遊園地の人口密度を算出し、そこからリスクを算出してみましょう。
USJは2021年9月現在、一度に入場できる人数は5000人という入場制限を設けています。
生駒山上遊園地も入場制限を設けているのですが、人数の情報がありませんでした。そこで2018年間入場者数(24万人)を年間営業日数(約250日)で割った値を1日の入場者数と仮定します。
まずは人口密度です。
1日の入場者数 | 敷地面積 | 人口密度 | |
USJ | 5,000人 | 0.54k㎡ | 9,259人/k㎡ |
生駒山上遊園地 | 1,080人 | 0.0098k㎡ | 110,204人/k㎡ |
それぞれの人口密度を算出することができました。
次はリスクです。リスクを以下のように定義します。
人口1万人あたりの感染者数 | 人口密度 | リスク | |
USJ | 0.67人 | 9,259人/k㎡ | 6,211 |
生駒山上遊園地 | 0.43人 | 110,204人/㎡ | 47,588 |
なんと、生駒山上遊園地のリスクはUSJのリスクの7.7倍という結果になりました。
まとめ
今回、筆者が伝えたかったのは「USJよりも生駒山上遊園地のほうが危ない!」ということではありません。生駒山上遊園地の入場者数が不明であったため、人数制限を考慮せずに計算しました。つまり、現実と今回の計算結果にはある程度誤差があるはずです。
「ニュースで得られる情報だけで判断するのではなく、自分で情報を集めて分析してみると異なる結果が見えてくることもある。」ということを伝えたいと思い、この記事を書きました。