クリティカルシンキング(批判的思考)とは、物事の本質をとらえるための思考法で、自分の考えを相手に伝えるのに有効なスキルです。
このクリティカルシンキングを初心者向けに具体例を用いてわかりやくす解説します。
クリティカルシンキングを意識すれば、説得力を磨くことができますよ。
- 説得力を磨きたい!
- わかりやすく説明する力を身につけたい!
クリティカルシンキング(批判的思考)とは?
概要
説得力がある思考方法として最も有名なのは、ロジカルシンキング(論理的思考)です。
一方でクリティカルシンキング(批判的思考)は、聞きなれない方が多いのではないでしょうか?
それぞれの定義は以下となります。
ロジカルシンキング(logical thinking)とは、一貫していて筋が通っている考え方、あるいは説明の仕方のことである。
クリティカル・シンキング(critical thinking)とは、あらゆる物事の問題を特定して、適切に分析することによって最適解に辿り着くための思考方法である。批判の定義については論者によって異なるが、共通的には、単に否定的になるのではなく、自身の論理構成や内容について内省することを意味する。
wikipediaより引用
重要ポイント
- 自分と他人の考え方が異なることを理解する
- そして考え続ける
このポイントを押さえながら具体例を見てみましょう。
晩御飯を餃子にしてほしいとき
子供が親に「今日の晩御飯は餃子にしよう」と説得するケースを考えてみましょう。
例えばこんな説得はどうでしょう。
「今日の晩御飯は久しぶりに好物の餃子にしてほしいな」
なぜ説得力がないのか?
クリティカルシンキングの重要ポイントを思い出しながら考えてみます。
Step 1:自分と他人の考え方が異なることを理解する
子供、親それぞれの晩御飯のメニューを決める判断基準が何なのか考えてみましょう。
まずは子供から。
「今日の晩御飯は久しぶりに好物の餃子にしてほしいな」というセリフから、子供の判断基準は以下であることが推測できます。
では親の判断基準はなんでしょう。
判断基準がかなり異なりますね。
子供が「今日の晩御飯は久しぶりに好物の餃子にしてほしいな」と説得を試みたとき、親はこんな気持ちになるかもしれません。
「今日は用事があるから、手間のかかる餃子はつくりたくないな」
「餃子にするならニラを買いに行かないといけないからめんどくさいな」
自分と他人の考え方は異なるため、自分の考え方だけで主張を続けても説得が難しい場合があるということです。
Step 2:考え続ける
晩御飯のメニューについて交渉するのであれば、相手の晩御飯のメニューを決定するための判断基準を全て洗い出し、それら全てをクリアすればほぼ間違いなく説得が成功します。
この「判断基準を全て洗い出す」というのがクリティカルシンキングにおいて最も重要で難しいポイントです。「判断基準を全て洗い出す」ために、「本当にそれだけ?」「なぜそう思うのか?」と問いかけて考え続けることが必要です。このように疑い続けることが「批判的思考」と言われる理由です。
今回はStep1で親の判断基準を洗い出しています。餃子がこれら全てをクリアしているか確認してみましょう。
クリアしていないものがあった場合は対策を検討します。
ここまでできればあとは文章にするだけです。
今日の晩御飯は久しぶりにみんなが好きな餃子にしてほしいな。
晩御飯のメニューを決めるときいつも栄養を気遣ってくれているのは知ってるよ。だから野菜たっぷりの餃子にしたら栄養は問題ないよね?
もちろん今日餃子を作る時間がないこともわかってる。だからお手伝いして用事がはやく終わるようにするよ。
あと、今からニラも買いに行ってくるから材料の心配もしなくて大丈夫だよ。
確かに餃子食べたら臭いが気になるけど、明日は日曜だし、天気予報で雨だからどこにも行かないよね?
どうでしょう?もう餃子を断る理由はないのではないでしょうか?
子が親をこのように説得をすることに、少し違和感があるかもしれませんが、このスキルはビジネスシーンでかなり使えますよ。
まとめ
クリティカルシンキングで説得力を磨くためのポイントです。
- 自分と他人の考え方は異なるため、自分の考え方だけ主張しても説得は難しい
- 考え続けて相手の判断基準を全て洗い出す
- 自分の主張が相手の判断基準をクリアしない場合は対策を検討する
今回、紹介した内容はクリティカルシンキングの入り口です。
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