0.99999…=1なのか?
実はこれ、数学的に正しいです。
この問題は中学生レベルの数学で簡単に証明できるので、わかりやすく解説します。
さらに記事の後半で似たような問題も紹介しています。
- 0.99999…=1であることを理解したい。
- 似たような問題に興味がある。
0.99999…=1の証明
2パターンの証明を紹介します。
簡単な証明
この問題は中学レベルの数学で簡単に証明できます。
\(x\)を以下のように定義する。
\(x=0.99999…\) (1)
両辺を\(10\)倍すると
\(10x=9.99999…\) (2)
(1)-(2)すると
\(10x-x=(9.99999…)-(0.99999…)\)
\(9x=9\)
\(x=1\)
つまり
\(x=0.99999…=1\)
高校レベルの証明
続いては、無限等比級数を使った証明です。
まずは\(0.99999…\)を数列で表現します。
\(0.99999…\)
\(\displaystyle =\lim_{n→∞} \left[0.9+0.9×\frac{1}{10}\\+0.9×\left(\frac{1}{10} \right)^2+…+0.9×\left(\frac{1}{10} \right)^n \right]\)
\(\displaystyle =\lim_{n→∞} \left[0.9×\left(\frac{1}{10} \right)^0+0.9×\left(\frac{1}{10} \right)^1\\+0.9×\left(\frac{1}{10} \right)^2+…+0.9×\left(\frac{1}{10} \right)^n \right]\)
\(\displaystyle =\lim_{n→∞} \sum_{k=1}^n{0.9\left(\frac{1}{10}\right)^{k-1}} \)
次にこの数列の解きます。
\(\displaystyle =\lim_{n→∞} \left[ \frac{\frac{9}{10}\left( \left( \frac{1}{10}\right)^n-1\right)}{\frac{1}{10}-1} \right] \)※等比数列の和の公式
\(\displaystyle =\frac{-\frac{9}{10}}{\frac{1}{10}-1}\)
\(\displaystyle =\frac{-\frac{9}{10}}{-\frac{9}{10}}=1\)
証明完了です。
先に説明した簡単な証明よりもこちらのほうがより信頼のある証明です。
もちろん簡単な証明も間違いではありません。
しかし\((9.99999…)-(0.99999…)=9\)という計算は、左辺の桁が同じという条件が必要です。ここが曖昧なまま計算するのは少し強引とも言えます。
1/3の不思議
\(\displaystyle \frac{1}{3}\)について考えてみても不思議な現象が起きます。
0.00000…1=0?
\(0.99999…=1\)が正しいことはわかりました。
では
- \(0.99999…\)は無限に\(9\)という数字が続く循環小数です。
- \(0.00000…1\)は\(0\)が続いた後、最後に\(1\)という数字がでてきます。つまり、最後が存在するので、\(0\)は無限に続きません。