「張り紙禁止」の張り紙。などわかりやすく矛盾したパラドックスをまとめました。
パラドックスの世界への入門としてオススメです。
- パラドックスが好き
- 矛盾した話が好き
嘘つきのパラドックス
嘘つきはパラドックスのはじまりです。
一人の嘘つき
「私は嘘つきです」という人がいるとします。
この人が嘘つきの場合
話す言葉は全て嘘になるため、嘘つきであることも嘘になってしまいます。
この人が正直者の場合
正直者の自分のことを嘘つきと言っており、矛盾してた発言になっています。
二人の嘘つき
以下のような発言をする2人がいた場合もパラドックスになります。
A「Bは嘘つきだ」
B「Aは正直者です」
- Bの言うとおり、Aは正直者だとしましょう。
- そうすると、Aの「Bは嘘つきだ」という言葉どおり、Bは嘘つきになります。
- Bが嘘つきということは「Aは正直ものです」という言葉が嘘になるため、Aは嘘つきということになります。
- Aが嘘つきということは「Bは嘘つきだ」という言葉が嘘になるため、Bは正直者になります。
- Bが正直ものだということは「Aは正直者」という言葉どおり、Aは正直ものになります。
このように①~⑤の内容がぐるぐる回り、AとBが嘘つきなのか正直者なのかわかりません。
矛盾の語源
矛盾の語源もパラドックスです。
ある商人が「なんでも突き通す矛」と「なんでも防ぐ盾」を売っていました。
その商人に対し、客が「その矛でその盾を突くとどうなるのか?」と質問をしました。
- 矛が盾を突きとおすと「なんでも防ぐ盾」ではなくなる。
- 盾が矛を防ぐと「なんども突き通す矛」ではなくなる。
商人は困って返答することができなくなりました。
自己言及のパラドックス
自分の話している内容と、行動が矛盾しているパラドックスは他にもいろいろあります。
- 「静かにしろ!」という怒鳴り声
- 「張り紙禁止」と書かれた張り紙
- 「落書き禁止」と書かれた落書き
- 「例外のない規則はない」という規則
- 「その質問には回答しない」という回答
人食いワニのパラドックス
人食いワニに出会ったらパラドックスで対処しましょう。
人食いワニがあなたの友人を咥えながらこう言います。
「これから俺のすることを言い当てたら、友人を食べずに返してやろう」
そしてあなたはこう返事をしました。
「あなたはこれから私の友人を食べます」
するとどうなるでしょう?
- 人食いワニは友人を食べようとする
- 友人を食べると言い当てられたことになる
- 友人を返そうとすると食べないことなる
- 食べないのであれば言い当てられてないので食べることができる
これも①~④がぐるぐる回り、人食いワニは何もできなくなってしまいます。
床屋のパラドックス
イギリスの論理学者バートランド・ラッセルが考案したラッセルのパラドックスの具体例です。
床屋が1人だけいる村があります。
この床屋は
- 自分で髭を剃らない村人全員の髭を剃る。
- 自分で髭を剃る人の髭は剃らない。
では、この床屋の髭は誰が剃るのか?
ちなみにこの床屋は男性です。
床屋が自分で剃る?
そうすると、「自分で髭を剃る人」の髭を剃ることになるので矛盾が生じる。
床屋は髭を剃らない?
そうすると、「自分で髭を剃らない村人」の髭を剃らないことになるので矛盾が生じる。
「私は嘘つきである」という人は本当に嘘つきなのでしょうか?「張り紙禁止!」と書かれた張り紙は禁止されていないのでしょうか?このように正しいようで正しいと認識できないものがパラドックスです。そんなパラドックスをたくさん[…]