数学を使えば一部を把握できれば全体を推測することができます。
それがベイズ推定です。
今回は戦車問題を例にベイズ推定についてわかりやすく解説します。
- 一部から全体を推測する方法を知りたい。
- 数学が何の役に立つのか知りたい。
Contents
ドイツの戦車問題とは?
まずはドイツの戦車問題について説明します。
ベイズ推定
では、ここからベイズ推定について解説していきます。
ベイズ推定の公式
戦車問題の答えを算出するための公式はこちらになります。
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実際に計算してみると
では、先ほどの公式で実際に計算してみたいと思います。
捕獲した戦車は4台で、それらの製造番号は「19」「40」「42」「60」でしたので以下のように計算ができます。
\(m=60\)(最も大きい製造番号)
であるので
\(\displaystyle μ=(m-1)\frac{k-1}{k-1}\)
\(\displaystyle μ=(60-1)\frac{4-1}{4-2}\)
\(\displaystyle μ=88.5\)\(\displaystyle σ=\sqrt{\frac{(k-1)(m-1)(m-k+1)}{(k-3)(k-2)^2}}\)
\(\displaystyle σ=\sqrt{\frac{(4-1)(60-1)(60-4+1)}{(4-3)(4-2)^2}}\)
\(\displaystyle σ≒50.22\)
\(\displaystyle N≒μ±σ=88.5±50.22\)
サンプルの数を増やしてみると
確保した戦車の数が4台だけだと、算出結果の精度はイマイチでした。
しかし、ここからどんどん戦車を確保していく(サンプルの数を増やしていく)と制度が上がっていきます。
敵の戦車の数を80台とし、サンプルの数を増やしていったとき結果を以下にまとめました。
確保した戦車の数 | 最も大きい製造番号 | 計算結果 | 最大誤差 |
---|---|---|---|
4 | 60 | 38~139 | 59(73.8%) |
23 | 65 | 64~70 | 16(20.0%) |
42 | 70 | 70~72 | 10(12.5%) |
61 | 75 | 75~76 | 5(6.3%) |
80 | 80 | 80 | 0(0.0%) |
確保した戦車の数が4台のときの答えとの最大誤差は59台(73.8%)でした。
しかし確保した戦車の数が23台になると、最大誤差が16台(20.0%)と大幅に制度が上がっています。
さらに全体の約半数である42台を確保すると、最大誤差は10台(12.5%)まで減ります。
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