Googleの入社試験として出題された問題です。
騙されずに、正しい答えを導くことができますか?
数学を使った解き方と、数学を使わない簡単な解き方を紹介しています。
- ひっかけ問題が好き。
- Googleの入社試験に挑戦してみたい。
問題
ある国では男の子を欲しがるため、以下のルールに従って子供をつくります。
- 男の子が生まれるまで、子供をつくり続けます。
- 男の子が生まれたら、もう子供はつくりません。
男の子と女の子が生まれる確率が等しいとき、この国の男女比はどれくらいになるでしょう?
解答
どの家庭にも男の子が必ずいることになるので、男女比は男のほうが高くなりそう。
女の子がいる家庭といない家庭が半分ずつくらいになると予想すると、だいたい男女比は2(男):1(女)くらい?
と考えたかは、残念ながら間違いです。
数学を使った解き方
各家庭の女の子の人数の期待値を考えると、正しい答えにたどり着きます。
1人目の子供は\(\displaystyle \frac{1}{2}\)の確率で男の子になります。
この家庭はこれ以上子供を作らないので、\(\displaystyle \frac{1}{2}\)の確率で女の子の人数は0人になることがわかります。
1人目の子供が女の子で、2人目の子供が男の子の場合、\(\displaystyle \frac{1}{2}×\frac{1}{2}=\left(\frac{1}{2}\right)^2\)の確率で女の子の人数は1人になることがわかります。
この続きを表にすると以下のようになります。
生まれるパターン | 男の子 | 女の子 | 確率 |
---|---|---|---|
男 | 1 | 0 | \(\displaystyle \frac{1}{2}\) |
女男 | 1 | 1 | \(\displaystyle \left(\frac{1}{2}\right)^2\) |
女女男 | 1 | 2 | \(\displaystyle \left(\frac{1}{2}\right)^3\) |
女女女男 | 1 | 3 | \(\displaystyle \left(\frac{1}{2}\right)^4\) |
女女女女男 | 1 | 4 | \(\displaystyle \left(\frac{1}{2}\right)^5\) |
\( \underbrace{女女女女女 \cdots 男}_{n人} \) | 1 | n-1 | \(\displaystyle \left(\frac{1}{2}\right)^n\) |
つまり各家庭の女の子の人数の期待値\(G\)は
\(\displaystyle G=0×\left(\frac{1}{2}\right)^1+1×\left(\frac{1}{2}\right)^2+2×\left(\frac{1}{2}\right)^3+\)
\(\displaystyle \cdots+(n-1)×\left(\frac{1}{2}\right)^n\)
\(\displaystyle G=\sum \limits _{n=1}^∞ (n-1)\left(\frac{1}{2}\right)^n \)
簡単な解き方
男の子と女の子が生まれてくる確率は等しく50%なので、下図のようにランダムに生まれてくと考えられます。
男の子が生まれるまで子供を作り続けるということは、この図の「右端から順番に男の子が1人なるまでを自分の子供にする」と考えられますね。
つまり1つ目の家庭Aの子供は以下のように男の子1人となります。
次の家庭Bの子供は以下のように、女の子2人と男の子1人になります。
これを続けていくことは以下のようなイメージになり、問題のルールに従って子供をつくっても男女比が変わらないことを容易にイメージできると思います。
つまりこの問題は、男女比が1:1の子供たちをどう分け方るかという話なのです。
参考文献
この問題はgoogleの入社試験で出題された問題です。
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