1=2の色々な証明方法をまとめました。
もちろん1≠2なので、これから紹介する証明のどこかに間違いがあります。
あなたは間違いを見つけられますか?
- 1=2の色んな証明方法を知りたい。
- 数学の間違い探しをしたい。
四則演算で証明
最初は四則演算での証明です。
\(a=b\)
\(a^2=ab\) ※両辺に\(a\)をかけた
\(a^2-b^2=ab-b^2\) ※両辺から\(b^2\)を引いた
\((a-b)(a+b)=b(a-b)\) ※両辺を因数分解した
\(a+b=b\) ※両辺を\((a-b)\)で割った
\(a+a=a\) ※\(a=b\)を代入
\(2a=a\)
\(2=1\) ※両辺を\(a\)で割る
間違いの解説
間違いは以下の部分にあります。
\((a-b)(a+b)=b(a-b)\)
\(a+b=b\) ※両辺を\((a-b)\)で割った
最初に\(a=b\)と定義しているため、\(a-b=0\)です。
\(0\)で割ることはできないので、この証明は間違いです。
三角形で証明
三角形を用いて視覚的に\(1=2\)を証明することができます。
下図のような一辺の長さが\(1\)の正三角形を考えます。
この正三角形の底辺(青い線)の長さは\(1\)で、残りの2辺(赤い線)の長さの合計は\(2\)です。
この三角形を底辺はそのままにして、2つの正三角形に変形しても、底辺(青い線)の長さは\(1\)で、残りの辺(赤い線)の長さの合計は\(2\)です。
正三角形の数をどんどん増やしていくと、赤い線が直線に近づいていき、いつか青い線と重なります。
底辺(青い線)の長さは\(1\)で、残りの辺(赤い線)の長さの合計は\(2\)であるため、\(1=2\)である。
間違いの解説
この証明の間違いを見つけるのは簡単です。
小さくても三角形は三角形なので、どれだけ小さくしても赤い線と青い線が一致することはありません。
微分で証明
次は微分を使って証明します。
\(3^2\)は\(3×3\)を示します。
\(3×3\)は\(3\)が\(3\)個あるという意味です。
つまり\(\displaystyle3^2=\underbrace{3+3+3}_{3}\)となります。
同様に考えると
\(\displaystyle x^2=\underbrace{x+x+x…x}_{x}\)
両辺を微分すると
\(2x=\underbrace{1+1+1…1}_{x}\)
\(2x=x\) ※右辺をまとめた
\(2=1\) ※両辺を\(x\)で割った
またしても\(2=1\)となりました。
間違いの解説
\(x\)を\(x\)個足すことは
級数で証明
最後に級数を使った証明を紹介します。
以下ののような逆数を交互に足し引きした級数を考えます。
\(\displaystyle X=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\frac{1}{5}…\)
この級数の和の順番を入れ替えます。
\(\displaystyle X=(1-\frac{1}{2})-\frac{1}{4}+(\frac{1}{3}-\frac{1}{6})-\frac{1}{8}+(\frac{1}{5}-\frac{1}{10})…\)
\(\displaystyle X=(\frac{2}{2}-\frac{1}{2})-\frac{1}{4}+(\frac{2}{6}-\frac{1}{6})-\frac{1}{8}+(\frac{2}{10}-\frac{1}{10})…\)
\(\displaystyle X=\frac{1}{2}-\frac{1}{4}+\frac{1}{6}-\frac{1}{8}+\frac{1}{10}…\)
\(\displaystyle X=\frac{1}{2}(1-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\frac{1}{5}…)\)
\(\displaystyle X=\frac{1}{2}X\)
\(\displaystyle 2X=X\)
\(\displaystyle 2=1\)
間違いの解説
級数の定義をもう一度見てみましょう。
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