ハッピーエンド問題という数学の問題があります。
なんとこの問題、「ハッピーエンド」なのに未解決問題なのです。
一体何が「ハッピーエンド」なのでしょう?
その点も踏まえて解説していきます。
こんな人にオススメ
- 数学の未解決問題が好き
- ハッピーエンド問題の何がハッピーエンドなのか気になる。
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ハッピーエンド問題とは?
ハッピーエンド問題の定義は以下となります。
ハッピーエンド問題の定義
ある平面上に十分多くの点が、どの3点も一直線上にないように並んでいるとする。
このとき\(N\)個の頂点をうまく選べば、それらを頂点とする凸であるような\(N\)角形が必ず作れる。
例えば、平面上に点が5個あれば
このように必ず4角形を作ることができます。
ちなみに以下のような形は凸であるような4角形でないため、NGとなります。
また以下のように平面上の点が5個あっても、一直線上に並んでしまうと4角形は作れなくなってしまいます。
問題の内容はとても簡単ですね。
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未解決の理由
では、ハッピーエンド問題の何か未解決なのでしょう?
実は、ハッピーエンド問題の定義である、「ある平面上に十分多くの点が、どの3点も一直線上にないように並んでいるとする。このとき\(N\)個の頂点をうまく選べば、それらを頂点とする凸であるような\(N\)角形が必ず作れる。」という内容が正しいことは証明されています。
また、
- 平面上に点が5個あれば、必ず4角形を作れる。(1935年に証明)
- 平面上に点が9個あれば、必ず5角形を作れる。(1970年に証明)
- 平面上に点が17個あれば、必ず6角形を作れる。(2006年に証明)
であることも証明されています。
未解決なのはこの続きです。
未解決部分①
7角形以上をつくる場合、それぞれ平面上に点が何個必要なのか?
未解決部分②
ハッピーエンド問題の定義に「ある平面上に十分多くの点が・・・。」とあるが、十分多くの点を具体的に表現するこは可能なのか?
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ハッピーエンド問題の名前の由来
最後にハッピーエンド問題の名前の由来を紹介したいと思います。
この問題は戦前のブタペストでエシュテル・クラインが発表しました。
発表の場にいたポール・エルデシュとその友人は、この問題のさらに本質的な部分を追及し、問題を発展させました。
これがきっかけでエシュテル・クラインとポール・エルデシュは結婚することになりました。
そしてポールの友人が、結婚のきっかけとなったこの問題を「ハッピーエンド問題」と名付けたそうです。
とてもロマンチックな話ですね。