2の0乗や3の0乗は1です。
0の1乗や0の2乗は0になります。
では0の0乗は?1になるのか?それとも0になるのか?
この謎についてわかりやすく解説します。
- 0の0乗の答えを知りたい!
指数の計算
\(0^0\)の答えの前に、指数計算の復習をしたいと思います。
指数とは\(a^n\)の\(n\)のことです。そして\(a\)のことを底(てい)といいます。
\(a=2\)、\(n=3\)とすると以下のように計算ができます。
2\(^0\)の計算
計算 | 計算結果 | |
\(2^3\) | \(2×2×2\) | \(8\) |
\(2^2\) | \(2×2\) | \(4\) |
\(2^1\) | \(2\) | \(2\) |
\(2^0\) | ? | ? |
底が2の場合、指数を\(1\)減らすと\(×2\)が1つ減る。つまり、\(2\)で割られることになります。
この性質を利用して\(2^0\)を計算することができます。
0\(^2\)の計算
次に\(0^2\)はどうなるのでしょう。
\(0^2=0×0=0\)
0\(^0\)の計算
いよいよ本題です。
\(0^0\)はいくつになるのでしょうか?
\(2^0=1\)と同様と考えると、答えは1であるような気がします。
しかし\(0^2=0\)なので、0をいくらかけても0なので答えが0であるような気もします。
実はどちらも正解なんです。
\(0^0\)の答えは考え方により変わり、答えが複数あります。
実際にGoogleで0の0乗と検索すると1という答えがでてきます。
Excelで\(0^0\)を計算してみるとエラーになり計算できません。
\(0^0=1\)
まずは\(0^0=1\)という考え方です。
これは\(y=x^x\)のグラフを見てみるとわかりやすいです。
\(x\)(横軸)が0のとき\(y\)(縦軸)は1になっていますね。
つまり\(0^0=1\)ということが言えます。
\(0^0=0\)
次に\(0^0=0\)という考え方です。
これは\(\displaystyle e^{-\frac{1}{x^2}}\)という値を使います。
\(\displaystyle e^{-\frac{1}{x^2}}\)は\(x\)を0に近づけていくと0になるという性質を持っています。
つまり\(\displaystyle y=(e^{-\frac{1}{x^2}})^x\)に\(x=0\)を代入すると\(y=0^0\)となります。
\(0^0\)=計算できない
最後は計算できないという考え方です。
指数法則を使います。
\(0^1=0^1×0^0\)
\(\displaystyle 0^0=\frac{0^1}{0^1}\)
\(\displaystyle 0^0=\frac{0}{0}\)
0で割ることはできないので「\(0^0=\)計算できない」という結果になります。
まとめ
\(0^0\)は、一見簡単そうなのですが、実は答えが複数あります。
それは答えを導き出すためのアプローチによって、答えが変わるためです。
実は数学の世界では簡単そうなのに、解けていない問題がまだまだあるんです。
興味がある方はこちらの記事を参照してください。
問題の意味は中学生でも理解できるのに、世界中の数学者を悩ませいている。そんな未解決問題をまとめました。中には賞金をもらえるものもありますよ。こんな人にオススメ 数学の未解決問題を知りたい 数学で一攫千[…]
意味を理解することは簡単なのに解けない、という問題を集めました。