無限に続く魅惑の数字、円周率。
無限に続くその値をどうやって求めるのか?
その方法についてわかりやすく解説します。
- 円周率の求め方を知りたい
- 円周率の魅力を知りたい
円周率について
求め方の前に、円周率について簡単に解説します。
円周率とは?
円周率は不規則に無限に続く
この円周率は無限に続きます。
\(\displaystyle \frac{1}{7}\)という値について考えてみましょう。
「142857」という数字が続いています。
999999 | 762桁目から |
01234567890 | 504億9446万5695桁目から |
000000000000 | 1兆7555億2412万9973桁目から |
円周率の求め方(紀元前3世紀~)
まずは簡単な円周率の求め方です。
直径1の円について考えてみます。
この円に内接する正六角形の1辺の長さは0.5になります。
この円に外接する正六角形の1辺の長さは\(\displaystyle\frac{1}{\sqrt{3}}\)となります。
直径1の円の外周の長さ(円周率π)は内接する正六角形の外周の長さより長く、外接する正六角形の外周の長さより短いため
\(3<π<2\sqrt{3}\)
であることがわかります。
今回は正六角形で考えましたが、これを正八角形、正十角形・・・と分割数を無限に増やしていけば、限りなく円に近づいていきます。
以下の計算式で正十角形から正1000角形まで計算してみました。
\(\displaystyleπ=\frac{内接するn角形の外周+外接するn角形の外周}{2}\)
3.141592・・・あたりに向かって収束していることがわかります。
しかしExcelで計算した計算した正1000角形の値は3.14159237467・・・で7桁目までしか合っていません。
このように計算の手間の割に答えの精度が低いため、今は使われていません。
円周率の求め方(17世紀~)
17世紀になると、無限に足し算する式により、円周率\(π\)を表す方法が発見されました。
それがこの式です。
公比\(-x^2(0≤x<1)\)の無限等比級数を考えると、以下の式が表せられる。
\[1-x^2+x^4-x^6+・・・=\frac{1}{1+x^2}\]
両辺を積分する(\(x:0→1\))
\[ \displaystyle \int_0^{1} (1-x^2+x^4-x^6+・・・)dx=\int_0^{1}\frac{1}{1+x^2}dx \]
左辺を計算する
\begin{align*}
(左辺)&=\int_0^{1} (1-x^2+x^4-x^6+・・・)dx\\
&=\left[x-\frac{1}{3}x^3+\frac{1}{5}x^5-\frac{1}{7}x^7+・・・\right]_0^1\\
&=1-\frac{1}{3}+\frac{1}{5}-\frac{1}{7}・・・
\end{align*}
次に右辺を計算する
\(x=\tanθ\)と置換する
\(x:0→1\)は\(\displaystyleθ:0→\frac{π}{4}\)となる
\begin{align*}
(右辺)&=\int_0^{1}\frac{1}{1+x^2}dx\\
&=\int_0^{\frac{π}{4}}\frac{1}{1+\tan^2θ}・\frac{1}{\cos^2θ}dθ\\
&=\int_0^{\frac{π}{4}}\cos^2θ・\frac{1}{\cos^2θ}dθ\\
&=\int_0^{\frac{π}{4}}dθ\\
&=\left[θ\right]_0^\frac{π}{4}\\
&=\frac{π}{4}
\end{align*}
つまり以下が成り立つ
\[\displaystyle\frac{π}{4}=\frac{1}{1}-\frac{1}{3}+\frac{1}{5}-\frac{1}{7}+・・・\]
こちらもExcelで\(n=1000\)まで計算してみました。
振動しながら3.141592・・・に向かって収束しています。
しかし\(n=1000\)のときの値は3.14059265383979・・・で、3桁目までしか合っていません。
こちらも収束するのに時間がかかるため、今は使われていません。
円周率の求め方(20世紀~)
20世紀になり、マーダヴァ・グレゴリー・ライプニッツ級数よりも収束がはやい公式が見つかりました。
それがこちらです。
なぜ円は360度なのか?
ここまで円周率の求め方を話してきましたが、なぜ円は360度なのかという疑問を持ったことはありませんか?
360という中途半端な数字ではなく、なぜ100や400などきりのいい数字にしないのか?
この疑問に対する回答を以下の記事に記載しています。
1周はなぜ360度なのでしょう?きりの良い100度などではだめなのでしょうか?完全に納得できるように、この疑問に答えます。実は360というのはすごい数字なんです。こんな人にオススメ なぜ1周が360[…]