「人が呼吸をするがごとく、鷲が空中にその身を浮かせておくがごとく、傍目には何の苦労もなく計算をした」と言われる天才数学者レオンハルト・オイラー。
なぜオイラーが天才と言われているのか?
オイラーの信じられない逸話を解説します。
この記事を読み終わったときにはオイラーの大ファンになっているはずです。
- 天才数学者がなぜ天才と言われているのか知りたい。
- フィクションのようなノンフィクションの話が好き。
オイラーの生い立ち
オイラーは1707年に牧師の息子として生まれました。
子供時代からオイラーは数学に桁外れの才能を示していましたが、牧師の父親は彼に神学を学ばせ、聖職につかせようと必死でした。
しかし史上最高の数学一族と名高い「ベルヌーイ一族」がオイラーに目をつけるのです。
「ベルヌーイ一族」に直談判されては、さすがの父親も反対できず、オイラーは数学者として歩み始めました。
オイラーの生きた時代
1700年代に入り、アイザック・ニュートンの功績によって、ようやく数学は役に立つ学問として認められ始めました。
オイラーの逸話
「オイラーはどんな問題でも解いてしまう」ことが評判になった頃、ある哲学者がオイラーに意地悪な問題を出します。
オイラーの悲劇
1735年、パリの学士院がある天文学の問題に懸賞をかけました。
オイラーを含む数々の数学者がこの問題の解決に挑みましたが、あまりにも難解であったため、多くの著名な数学者たちは学士院が提示した期限と解くことは不可能だと感じました。
しかしオイラーは違います。
彼は何かに憑かれたように三日間ぶっ通しで問題を解き続けるのです。
その結果、見事問題を解決し懸賞を手に入れるのですが、この時の劣悪な環境と緊張によるストレスによってオイラーは片目の視力を失ってしまいます。
更なる悲劇
- ほとんどの計算を暗算できる
- 一度読んだ本の内容をほぼ覚えている
驚くことにオイラーは完全に視力が無くなってから、人類で初めて月の軌道を算出するという偉業を成し遂げたのです。
オイラーの功績
天才オイラーは様々な功績を残しています。
最も有名なものは「世界一美しい数式」と名高いオイラーの公式の発見でしょう。
オイラーの公式についてはこちらの記事を参照してください。
世界一美しい数式として有名なオイラーの等式。おそらく数学者以外は、この数式の美しさを理解し難いと思います。そこで今回は、数学の知識がない人にも、この数式の美しさが理解できるようにわかりやすく解説します。こ[…]
オイラーとフェルマーの最終定理
数々の難問を解決してきたオイラーでも解けない問題がありました。
それがフェルマーの最終定理です。
n=4のとき成り立つことを発見
フェルマーの最終定理が書かれた「算術」という本を読み、フェルマーが別の問題でこっそりと\(n=4\)のときの証明をしていることを発見するのです。
フェルマーの最終定理の生みの親「ピエール・ド・フェルマー」。かなり性格が歪んだ人と言われていますが、彼はいったいどんな人物だったのでしょうか?この記事では、フェルマーの人物像やフェルマーの最終定理を発見するまでの背景について[…]
n=3のとき成り立つことを証明
オイラーは\(n=4\)のときに成り立つことを発展させ、\(n\)が3以上の全ての自然数で成り立つことを証明しようと考えました。
そしてフェルマーが\(n=4\)のときに成り立つことを証明するために使用した「無限降下法」と「虚数」を組み合わせることで\(n=3\)のときも成り立つことを証明しました。
しかしオイラーが証明できたのはここまででした。
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