世界一美しい数式として有名なオイラーの等式。
おそらく数学者以外は、この数式の美しさを理解し難いと思います。
そこで今回は、数学の知識がない人にも、この数式の美しさが理解できるようにわかりやすく解説します。
- 世界一美しい数式の美しさがわからない
- 文系だけど数学が好き
オイラーの等式
オイラーの等式はこちらです。
\(e^{iπ}+1=0\)
この数式は世界一美しい数式として有名で、映画化もされた小説「博士の愛した数式」でも登場しました。
この等式の美しさを理解するためには
- 円周率
- ネイピア数
- 虚数単位
- 指数
を知ることが必要です。
順番に解説していきます。
円周率
まずは円周率からです。
円周率\(π\)とは、円の直径に対する円周の比率のことです。
直径\(l\)の円の円周の長さを\(L\)とすると
となります。
値は
\(π=3.14159265359 \cdots \)
と続いていきます。
2021年現在、約2000億桁まで計算されていますが、未だに割り切れていません。
円周率に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。
無限に続く魅惑の数字、円周率。無限に続くその値をどうやって求めるのか?その方法についてわかりやすく解説します。こんな人にオススメ 円周率の求め方を知りたい 円周率の魅力を知りたい円周率につ[…]
円周率の歴史
円周率は今から約4000年前の紀元前2000年頃には使われていたとされています。
ネイピア数
続きましてネイピア数です。
ネイピア数\(e\)は自然数の逆数を無限に足し合わせたもので、以下の計算で求めることができます。
計算すると値は
\(e=2.71828182845904523536 \cdots \)
であり、こちらも円周率πと同様に数字が続いていきます。
\(e^x\)は何度微分しても\(e^x\)であるなど、様々な特性を持っています。
馴染みはないと思いますが、数学界では重要な値です。
ネイピア数を使って最高の相手と結婚する確率を上げることができます。
できれば結婚相手は最高の相手がいいですよね。しかし今の恋人が最高の相手である保証はない。もしかしたらこの先もっといい人と出会えるかもしれない。そんな悩みを持っている人は、この記事を読んでください。数学の力で、最高の恋[…]
ネイピア数の歴史
ネイピア数は1618年、ジョン・ネイピアによって初めて近似値が発見されました。
虚数単位
3つ目は虚数単位iです。
虚数単位\(i\)とは2乗すると-1になる値のことです。
2乗は同じ数字を2回かけることです。
- プラス × プラス = プラス
- マイナス × マイナス = プラス
- 0 × 0 = 0
であることは皆さんご存じだと思います。
私たちが知っている、数字はプラスの数字かマイナスの数字か0のいづれかに分類することができます。
しかし、これらのどれを2乗しても-1にはなりません。
つまり、単位虚数iは私たちの認識できないところにある値ということになります。
ちなみにこの虚数を使うとマイナス×マイナスがプラスであることをエレガントに証明することができます。
「-2×-3は?」と聞かれると多くの方は「6」と答えることができると思います。ただ「何故マイナスにマイナスをかけるとプラスになるのか?」ということに対して、疑問をもつ方は多いのではないでしょうか。この記事では複素数を用いて、[…]
虚数の歴史
虚数は17世紀頃にルネ・デカルトが使い始めたと言われています。
指数
指数とは\(x^n\)の\(n\)のことです。
2の0乗や3の0乗は1です。0の1乗や0の2乗は0になります。では0の0乗は?1になるのか?それとも0になるのか?この謎についてわかりやすく解説します。こんな人にオススメ 0の0乗の答えを知りたい![…]
世界一美しい数式
1748年、オイラーは発見しました。
17世紀に入り定義された存在しない数字\(i\)と、紀元前2000年に発見された、割り切れない数字\(π\)を掛け合わせる。
\(πi\)
そして1618年に発見された、割り切れない数字\(e\)を\(πi\)乗する。
\(e^{πi}\)
数値を代入するとこのようになります。
\(e^{πi}=(2.71・・・)^{(3.14・・・)×\sqrt-1}\)
しかし、この数式にそっと1を足せば何事もなかったかのように0になってしまう。
\(e^{iπ}+1=0\)
まるで複雑にからまった紐を指一本でほどく魔法のような数式。
それがオイラーの等式です。
美しすぎて鼻血がでそうです。
まとめ
今回は数学をあまりよく知らない人にむけてざっくりと説明しました。
もしオイラーの等式の虜になってしまったという方がいれば、以下の書籍がおすすめです。
文系の方が、自身も数学を勉強しながら、数学をあまりよく知らない人にも理解してもらえるようにと、書いた1冊です。
さらにオイラーの等式と同じくらい天才オイラーの人生も美しいんです。
「人が呼吸をするがごとく、鷲が空中にその身を浮かせておくがごとく、傍目には何の苦労もなく計算をした」と言われる天才数学者レオンハルト・オイラー。なぜオイラーが天才と言われているのか?オイラーの信じられない逸話を解説します。[…]